千葉海運産業外観パース
千葉県にあるオフィスビルです。
外壁に柿葺をイメージした金属材を使用しています。
柿葺(こけらぶき)について
優雅なフォルムを屋根に頂き、神社や仏閣などの日本の伝統的建造物は佇んでいます。檜皮(ひわだ)や柿板(こけらいた)、茅などの植物性の材料が、その趣きを演出する一役を担っています。
これらの建造物の多くは国の重要文化財と指定され、その屋根工事の技術は1300年以上の歴史を持ち、古くは飛鳥時代にまで遡るとされています。その工法の1つに、柿葺と言われる板葺工法があります。厚さ3〜6o程度のスギ又はサワラの手割り板を3p前後の間隔で上下にずらして重ね、竹釘を打って葺き上げるもので、木羽葺ともいわれています。
ちなみにコケラの漢字は、つくり(右横)が鍋ぶたではなく、巾の字に一の字を加えた4画となり、かきの字(食する柿)の字とは異なります。
また、柿(こけら)は、新築劇場の開場興行の「こけらおとし」の「こけら」同様、木片・木屑の意味です。
柿葺の代表的な建築には、金閣寺、慈照寺(銀閣寺)、桂離宮古書院などがありますが、書院、客殿、茶室など人の出入りのある建物の多くに、柿葺(こけらぶき)が採用されている様です。
平成26年おいて、国の重要文化財に指定されている建物4,676棟のうち、檜皮葺は824棟、柿葺は353棟、また茅葺が389棟となっており、重要文化財の総棟数の3割以上が植物性の資材で葺かれていることに、緑深く山水に恵まれ、育まれた我が国の文化を感じます。